寝る前に読書をしていると、
「寝る前に本を読むのは、睡眠によくないのでは?」
と気になることがあるかもしれません。
寝る前に読書すること自体が、一律によくないわけではありません。
ただし、続きが気になって就寝時間が遅くなる、明るい画面を長時間見る、眠いのに無理をして読み続けるなど、読み方によっては睡眠の邪魔になる場合があります。
また、紙の本で読むのか、スマホやタブレットで読むのか、Kindle専用端末を使うのかによっても、気をつけたいポイントは少し異なります。
この記事では、寝る前の読書がよくないと言われる理由を整理したうえで、読む時間や内容、照明、姿勢、端末など、寝る前に読書を続けるなら何に注意すればよいのかを紹介します。
「寝る前だから読書をやめたほうがいい」と決めつけるのではなく、自分の読み方を見直すための参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 寝る前の読書がよくないと言われる理由
- 睡眠の邪魔になりにくい読書の時間・内容・明るさなどの注意点
- 紙の本・スマホ・Kindleで読む場合の違いと気をつけたいポイント
寝る前の読書はよくない?結論は「読み方次第」
寝る前だからといって、読書そのものをやめる必要があるとは限りません。
気をつけたいのは、読書そのものよりも「どのように読むか」です。
例えば、続きが気になって寝る時間を過ぎても読み続けたり、スマホやタブレットの明るい画面を寝る前まで長く見たりすると、睡眠時間や入眠に影響する可能性があります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、就寝前に照明やスマートフォンなどの強い光を浴びると、睡眠・覚醒リズムが遅れ、入眠を妨げる可能性があるとされています。
また、読む内容によって気持ちが高ぶったり、「もう少しだけ」と本を閉じにくくなったりすることもあるでしょう。
反対に、就寝時間を削らず、自分が落ち着いて読める範囲で楽しめているのであれば、「寝る前だから」という理由だけで読書をやめる必要はありません。
大切なのは、
- 寝る時間を遅らせていないか
- 眠いのに無理をして読んでいないか
- 画面や照明が必要以上に明るくないか
- 読んでいて気持ちが高ぶりすぎていないか
- 長時間読み続けて身体がつらくなっていないか
といった点を確認することです。
「寝る前の読書は良い・悪い」と一括りにするのではなく、自分の読み方が睡眠の邪魔になっていないかを基準に考えてみてください。
寝る前の読書にメリットはある?
寝る前の読書については、「本を読めば必ず眠くなる」「睡眠の質が必ず上がる」とまでは言えません。
一方で、寝る前に本を読む時間が、自分にとって気持ちを落ち着ける時間になることはあります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、寝る前に心身の緊張をほぐす方法の一例として、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとることが紹介されています。
ただし、これは「寝る前に読書をすれば誰でも睡眠の質が上がる」「本を読めば眠くなる」という意味ではありません。
続きが気になって就寝時間が遅くなったり、明るい画面を長時間見たりすれば、かえって睡眠の邪魔になる場合もあります。
そのため、寝る前の読書のメリットだけを見るのではなく、自分が落ち着いて読めているか、寝る時間を遅らせていないかなども合わせて確認することが大切です。
寝る前の読書がよくないと言われる理由
寝る前の読書がよくないかどうかは、「本を読むこと」だけで決まるわけではありません。
読書に夢中になって寝る時間が遅くなったり、夜に明るい画面を長く見たりするなど、読書を取り巻く条件が睡眠の邪魔になる場合があります。
特に気をつけたいのは、次のような読み方です。
- 続きが気になり、就寝時間を過ぎても読み続ける
- 読む内容によって気持ちが高ぶり、なかなか本を閉じられない
- スマホやタブレットなどの明るい画面を寝る直前まで見る
- 必要以上に明るい照明の中で読む
- 同じ姿勢で長時間読み続け、首や肩などがつらくなる
- 眠気があるのに無理をして読み続ける
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、良い睡眠のための光環境として「明るさ」「波長」「時間帯」に配慮し、就寝前はブルーライトを含む明るい光をできるだけ避けることが勧められています。
そのため、「ブルーライトだけを避ければ大丈夫」と考えるのではなく、寝る前はスマホなどの画面だけでなく、部屋の照明を含めた光環境全体に気を配ることが大切です。
一方、紙の本なら何も気にしなくてよいわけでもありません。
紙の本は画面そのものが発光しませんが、続きが気になって寝る時間を削ったり、明るい照明の下で長時間読み続けたりすれば、睡眠時間を確保しにくくなります。
また、ベッドで本を読むことについても、すべての人に「よい」「悪い」と一律には言えません。
慢性不眠症に対する行動療法の一つである刺激制御療法では、ベッドと睡眠を結びつけるため、ベッドでは読書やテレビ視聴などをせず、眠くなってから床につく方法が用いられています。
これは慢性不眠症に対する治療法の考え方なので、「寝る前にベッドで本を読む人は全員やめるべき」という意味ではありません。
また、「眠れないなら本を読めば必ず眠れる」という意味でもありません。
眠れない状態が続いている場合は、読書を不眠の治療の代わりとして考えるのではなく、必要に応じて医療機関へ相談することも検討してください。
寝る前の読書が習慣になっていても、それだけでやめる必要があるとは限りません。
まずは「読書していること」ではなく、読書によって寝る時間が遅くなっていないか、寝る直前まで明るい画面を見続けていないかなど、自分の読み方を確認してみましょう。
寝る前でも読書を続けやすい読み方
寝る前に読書をするなら、何分読むかを決めることよりも、寝る時間を削らないことを意識しましょう。
「あと少しだけ」と読み続けているうちに、いつもの就寝時間を大きく過ぎてしまうのであれば、読書そのものよりも、睡眠時間が短くなることのほうが問題になります。
また、眠気を感じているときは、無理に区切りのよいところまで読もうとせず、本を閉じるようにしましょう。
寝る前に読む場合は、次のような点を意識してみてください。
- いつもの就寝時間を大きく遅らせない
- 眠くなったら途中でも本を閉じる
- 必要以上に明るい照明を使わない
- 長時間同じ姿勢で読み続けない
- 続きが気になって止めにくい本は、あらかじめ切り上げるタイミングを決めておく
「寝る前は30分読む」「10分なら大丈夫」など、すべての人に当てはまる時間を決める必要はありません。
生活リズムや眠くなる時間は人によって違うため、自分が無理なく切り上げられ、睡眠時間を削らない範囲で読むことが大切です。
また、スマホやタブレットで読む場合は、画面の明るさにも注意しましょう。
画面を暗くしたり、暖色系の表示に切り替えたりする方法はありますが、それだけで寝る直前まで長時間使っても問題ないとは言い切れません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、就寝前はスマートフォンやタブレットなどの強い光をできるだけ避け、寝室を暗くすることが勧められています。
寝る時間が近づいたら、画面の設定だけに頼るのではなく、画面を見る時間そのものを長くしすぎないことも意識してみてください。
紙の本・スマホ・Kindleでは注意点が違う
寝る前の読書では、紙の本と電子書籍をすべて同じように考えないことも大切です。
紙の本は自ら光を発しませんが、読むためには周囲の照明が必要です。
そのため、紙の本だから何も気にしなくてよいわけではなく、明るすぎる照明を使ったり、続きが気になって長時間読み続けたりしないように注意しましょう。
一方、スマホやタブレットで電子書籍を読む場合は、ディスプレイそのものが光を発します。
寝る直前まで明るい画面を長時間見続けることは避け、必要に応じて画面の明るさを下げるなど、寝る前の光環境を調整してみてください。
また、「Kindle」と呼ばれるものには、iPhoneやAndroidなどで使うKindleアプリと、Kindle PaperwhiteなどのKindle電子書籍リーダーがあります。
どちらもKindle本を読めますが、画面の仕組みは同じではありません。
スマホやタブレットは液晶や有機ELなどのディスプレイを使用する一方、Kindle電子書籍リーダーは電子ペーパーディスプレイを採用しています。
また、Kindle電子書籍リーダーには画面の明るさを調整できるフロントライトがあり、一部の対応機種では色の暖かさも調整できます。
ただし、「Kindle専用端末なら寝る前にどれだけ使っても問題ない」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。
端末の種類だけでなく、使う時間や明るさ、就寝時間を遅らせていないかといった点も合わせて考えることが大切です。
寝る前にKindleで読んでいる場合は、スマホのKindleアプリとKindle専用端末の違いや、寝る前に使うときの設定・注意点を別の記事で詳しく紹介しています。
私の場合は寝る前5~10分の読書を積み重ねて読んだ
私自身、寝る前の短い時間を使って本を読み続けた経験があります。
2022年に『狼と香辛料』1~17巻を収録したKindle合本版を購入し、子どもが寝てから自分が寝るまでの5~10分ほどを使って、少しずつ読み進めました。
まとまった読書時間を取るのではなく、「続きが読みたい」と思ったときに短い時間を積み重ねながら読み続け、約4年半かけて最後まで読破しました。

『狼と香辛料』を読了後にAmazonへ投稿したレビュー。約4年半かけて少しずつ読み続けた体験を書いています。
もちろん、5~10分という時間が寝る前の読書に医学的に最適という意味ではありません。
あくまで私の場合は、長時間読むのではなく、自分が寝るまでの短い時間に少しずつ読む方法が続けやすかった、という一例です。
この経験から、寝る前の読書では「何分読めばよいか」を決めることよりも、睡眠時間を削らず、自分が無理なく切り上げられる範囲で楽しむことが大切だと感じています。
寝る前に読む本の内容にも注意する
寝る前の読書では、読む時間や明るさだけでなく、本の内容にも気を配りましょう。
寝る前に頭が冴えたり、考え事が増えたりするような状態は、入眠の邪魔になる場合があります。
そのため、「サスペンスだからダメ」「小説なら大丈夫」とジャンルだけで決めるのではなく、自分がその本を読んだときにどうなるかで考えることが大切です。
例えば、サスペンスやミステリーなどでも、続きが気になって「もう少しだけ」と読み続けてしまう作品には注意したほうがよいでしょう。
また、仕事や勉強について考え込んでしまう本なども、人によっては寝る前に頭が冴えてしまうことがあります。
反対に、
- 読み慣れている本
- 短いところで区切りやすい本
- 自分が落ち着いて読める作品
などを選ぶ方法もあります。
ただし、「このジャンルなら必ず眠りやすい」というものではありません。
同じ小説でも、読んでいて落ち着く人もいれば、続きが気になってなかなか本を閉じられない人もいます。
大切なのは、ジャンルだけで決めるのではなく、自分がその本を読んだときに、無理なく途中でやめられるか、寝る前に頭が冴えすぎないかを確認することです。
寝る前にどのような本を選べばよいのか、具体的なジャンルについて知りたい場合は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
こんなときは無理に読まなくていい
寝る前の読書は、無理に続ける必要はありません。
強い眠気があるときや、読書を続けることで必要な睡眠時間を削ってしまいそうなときは、本を閉じて休むことを優先しましょう。
また、目が疲れている、首や肩がつらい、同じ姿勢を続けるのがしんどいと感じる場合も、読書を切り上げる目安になります。
特に気をつけたいのは、「毎日読まなければ」「少しでも読み進めなければ」と、読書そのものが義務のようになってしまうことです。
寝る前の読書は、続けること自体が目的ではありません。
その日の体調や眠気に合わせて、
- 強く眠い
- 目や身体が疲れている
- 読書を続けると睡眠時間を削ってしまう
- 続きが気になってなかなか本を閉じられない
- 読むこと自体が負担になっている
と感じたときは、無理に続けず、その日は読まないという選択をしてもよいでしょう。
「寝る前に読書する習慣」を守ることよりも、必要な睡眠時間やその日の体調を優先してください。
まとめ:寝る前の読書は「読むか・読まないか」より読み方で考える
寝る前の読書は、一律によい・悪いと決められるものではありません。
読書そのものよりも、
- 就寝時間を遅らせていないか
- 眠気を無視して読み続けていないか
- 寝る前に明るい画面や照明を長時間見ていないか
- 続きが気になって本を閉じられなくなっていないか
- 無理な姿勢で長時間読んでいないか
といった読み方を確認することが大切です。
寝る前の読書については、睡眠が改善したと感じた人が多かったという研究もありますが、「本を読めば必ず眠れる」「睡眠の質が必ず上がる」とまでは言えません。
私自身は、子どもが寝たあとの5~10分ほどを使って少しずつ本を読み続けましたが、この時間が誰にとっても最適というわけではありません。
寝る時間を削らず、眠くなったら無理をせず本を閉じるなど、自分の生活リズムに合った読み方を探してみてください。
また、スマホのKindleアプリやKindle Paperwhiteなどを使って寝る前に電子書籍を読む場合は、端末による違いや画面の明るさなど、紙の本とは別に考えたい点があります。
寝る前にKindleで読む場合の注意点や、スマホとKindle専用端末の違いについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。