読書をしていると、声には出していないのに、頭の中で文章を読み上げているように感じることがあります。
「この頭の中の声をなくせば、もっと速く読めるのでは?」
「黙読なのに音声化してしまうのは、悪い読み方なの?」
と気になる方もいるのではないでしょうか。
ですが、読書中の脳内音読は、必ずしも悪い癖ではありません。
黙読でも、文字を読むときには音に関する情報が使われることが研究されており、頭の中の声を完全になくす必要はありません。
一方で、簡単な文章でも一語ずつ丁寧に頭の中で読み上げていて、読む速度に強い不満がある場合は、読み方を少し調整してみる余地があります。
この記事では、脳内音読とは何なのかを整理したうえで、完全に消すことを目標にせず、意味のまとまりへ意識を向ける方法や、文章の難しさ・読む目的によって速度を変えるコツを紹介します。
「音声化しないこと」を正解にするのではなく、自分が読みやすく、内容もきちんと理解できる読み方を見つけていきましょう。
この記事でわかること
- 読書中に頭の中で文章を音声化する理由と、脳内音読の考え方
- 脳内音読を完全になくす必要がない理由と、減らしてもよい場面
- 内容の理解を優先しながら、音声化しすぎないために試せるコツ
結論|読書中の脳内音読は、完全になくさなくていい
読書中に頭の中で文章を読み上げる、いわゆる「脳内音読」は、悪い癖だと考えて完全になくそうとする必要はありません。
黙読しているときでも、頭の中で文章を読み上げるような「内声化」が生じることがあります。
2019年に『教育心理学研究』へ掲載された「音声化と内声化が文章の理解や眼球運動に及ぼす影響」では、黙読時の内声化と文章理解について実験が行われています。
この研究では、内声化によって文章の逐語的な情報を保持しやすくなることや、内声化を抑えた条件では文章内容を問う問題の成績が低下したことが報告されています。
そのため、
- 頭の中で声がするから読書が下手
- 脳内音読をしているから内容を理解できない
- 速く読むためには頭の中を完全に無音にしなければならない
と考える必要はありません。
本を理解できていて、読む速度にも特に困っていないのであれば、今の読み方を無理に変えなくてもよいでしょう。
一方で、
- 簡単な文章でも一語ずつ丁寧に頭の中で読み上げている
- 内容は理解できているのに、読むのに時間がかかりすぎる
- 概要だけ知りたいのに、最初から最後まで同じペースで読んでいる
といった場合は、読み方を少し調整してみてもよいでしょう。
大切なのは、「音声化する・しない」の二択で考えないことです。
簡単な部分は少し速めに読み、難しい部分はゆっくり読む。概要だけ確認したいところではスキミングし、しっかり理解したい部分では丁寧に読む。
文章の難しさや読む目的によって、読み方を変えていきましょう。
読書中に頭の中で音声化するのはなぜ?
本を黙って読んでいるのに、頭の中では自分の声で文章を読んでいるように感じることがあります。
これは珍しいことではなく、黙読でも文字を処理するときに、音に関する情報が利用されることが研究されています。
ただし、「頭の中で声が聞こえること」と「文字を音の情報として処理すること」は、まったく同じ意味ではありません。
まずは、混同されやすい言葉を整理しておきましょう。
黙読でも音に関する情報が処理される
本を読むとき、私たちは文字の形だけを見て意味を理解しているわけではありません。
黙読でも、頭の中で文章を読み上げるような「内声化」が生じることがあります。
2024年に『認知心理学研究』へ掲載された「文章黙読時の内声化の程度と眼球運動の関連」でも、黙読時に頭の中で文章を音読する内声化について研究されています。
また、文字を読むときには、書かれた文字に対応する音に関する情報が利用されることも研究されています。
そのため、
「黙読なら文字を視覚だけで理解している」
「頭の中で音が浮かぶのは読み方が間違っている」
と単純には言えません。
頭の中で文章を読み上げる感覚があること自体を、すぐに悪い読み方だと考える必要はないでしょう。
脳内音読・サブボーカリゼーション・音韻符号化の違い
読書中の「頭の中の声」について調べると、
- 脳内音読
- 内的音声
- サブボーカリゼーション
- 音韻符号化
など、いくつかの言葉が出てきます。
似た意味で使われることもありますが、すべてを完全に同じものとして扱わない方が分かりやすいです。
脳内音読・内的音声は、声には出していないものの、頭の中で文章を読み上げているように感じる体験を指すと考えると分かりやすいでしょう。
一方、音韻符号化は、書かれた文字を読むときに、音に関する情報が利用・活性化される処理を指します。
サブボーカリゼーションは、文献や使われる場面によって意味の幅があります。
頭の中で言葉を発しているような感覚を指す場合もあれば、発声に関係する器官のわずかな活動まで含めて説明される場合もあります。
そのため、「脳内音読=サブボーカリゼーション=音韻符号化」と、すべてを一つの現象として決めつけないようにしましょう。
頭の中の声を悪い癖と決めつけなくていい
読書速度について調べていると、
「頭の中で音読しているから読むのが遅い」
「文字を音に変えず、そのまま意味を理解すれば速く読める」
といった説明を見かけることがあります。
しかし、脳内音読だけを読書速度が遅い原因と決めつけることはできません。
本を読む速度には、
- 文章の難しさ
- 知らない言葉の多さ
- その分野についての前提知識
- 文章をどこまで詳しく理解する必要があるか
- 目で文字を追う動き
- 注意の向け方
など、さまざまな要素が関係します。
簡単な文章なら自然と速く読めても、初めて学ぶ専門分野では、内容を理解するために読む速度が落ちることもあります。
ですから、「頭の中で声がする=直さなければならない悪い癖」と考える必要はありません。
まずは、自分が本当に困っているのが「脳内音読そのもの」なのか、それとも「本を読む速度」なのかを分けて考えることが大切です。
脳内音読にはどんな役割がある?
脳内音読や音韻的な処理は、「読むのを遅くするだけの無駄な処理」とは言い切れません。
黙読中に使われる音の情報については、語の認識や短期的な情報保持、文章理解などとの関係が研究されています。
そのため、読書速度を上げたいからといって、音に関する処理をすべてなくすことを目標にする必要はありません。
語を理解する過程との関係
文字を読むときには、文字の形だけでなく、その文字や単語に対応する音の情報も利用されることがあります。
特に、初めて見る言葉や読み慣れていない言葉では、頭の中で読み方を確認しながら意味を捉えることもあるでしょう。
一方で、よく知っている単語や簡単な文章では、一文字ずつ発音を意識しなくても意味を捉えられる場合があります。
すべての文章を同じように頭の中で読み上げる必要もなければ、すべての音声化をなくす必要もありません。
文章の難しさや、自分がその内容をどれだけ知っているかによって、読み方は変わります。
短期的な情報保持との関係
文章を理解するためには、今読んでいる言葉だけでなく、少し前に読んだ内容も一時的に保ちながら読み進める必要があります。
音韻情報は、このような短期的な情報保持との関係も研究されています。
例えば、長い文章では、
「前の文では何を説明していたか」
「この言葉は何を指しているのか」
といった情報をつなぎながら理解していきます。
そのため、音声化をなくせば記憶力が高くなると単純に考えるのは適切ではありません。
文章理解・韻律との関係
文章には、単語の意味だけでなく、
- 文の区切り
- 語順
- 会話のテンポ
- 文章のリズム
などがあります。
頭の中で文章を読むときに感じる音やリズムは、このような文章の構造を捉えることとも関係すると考えられています。
特に小説では、登場人物の会話や語り口を頭の中で感じながら読む方もいるでしょう。
このような読み方を、「音声化しているから効率が悪い」と決めつける必要はありません。
速く情報を確認したい文章と、内容や表現をじっくり味わいたい文章では、そもそも読む目的が違います。
大切なのは、脳内音読の有無だけで良い読み方・悪い読み方を決めないことです。
脳内音読を減らす必要があるのはどんな人?
ここまで説明したように、頭の中で文章を読み上げているからといって、必ずしも読み方を変える必要はありません。
本の内容を理解できていて、読む速度にも困っていないのであれば、今の読み方をそのまま続けてもよいでしょう。
一方で、脳内音読そのものではなく、読む速度や読み方に困っている場合は、少し調整してみる余地があります。
特に、次のような場合は読み方を見直してみてもよいでしょう。
一語ずつ読んで速度に困っている
簡単な文章でも、一文字・一単語ずつ頭の中ではっきり読み上げていて、読むのにかなり時間がかかる場合です。
例えば、すでに知っている内容や簡単な説明でも、
「この文章を最初から最後まで、頭の中できちんと発音しないと先へ進めない」
と感じるのであれば、必要以上に丁寧に読んでいる可能性があります。
この場合は、頭の中の声を無理に消そうとするのではなく、一語ずつの発音より、文章が何を伝えているのかへ意識を向けるところから試してみましょう。
ただし、読む速度を少し上げたことで内容が分からなくなるのであれば、無理に続ける必要はありません。
簡単・既知の文章を概要中心で読みたい
すでに知っている内容を確認するときや、細かい部分まで覚える必要がない文章では、最初から最後まで同じ速度で丁寧に読む必要はありません。
例えば、以前読んだことのある内容や、よく知っている分野の説明であれば、
- 重要な部分は丁寧に読む
- 知っている部分は少し速めに読む
- 必要のない説明は軽く確認する
といった読み分けができます。
ここでも、「音声化をゼロにする」ことではなく、「必要以上に一語ずつ読まない」ことを意識するとよいでしょう。
必要な情報だけ探したい
本や文章を読む目的によっては、全文を最初から最後まで詳しく理解する必要がない場合もあります。
例えば、
「この本に○○について書かれているか確認したい」
「必要な数字や説明だけ見つけたい」
といった場合です。
このようなときは、
- 目次を見る
- 見出しを確認する
- 太字やキーワードを探す
- 必要な部分だけ詳しく読む
といった方法が使えます。
これは、頭の中の声を完全に消して高速で全文を理解する方法ではありません。
読む目的に合わせて、詳しく読む部分と確認だけでよい部分を分ける方法です。
「自分は何のためにこの文章を読んでいるのか」
を先に考えると、必要以上にゆっくり読むことを減らしやすくなります。
頭の中で音声化しすぎないために試せるコツ
頭の中の声を完全になくそうとすると、かえって文章の内容へ集中しにくくなることがあります。
そのため、「音声化を消す」のではなく、必要以上に一語ずつ読み上げないという考え方で試してみましょう。
特に、簡単な文章やすでに知っている内容では、次のような読み方を試すことができます。
意味のまとまりへ意識を向ける
一文字・一単語ずつ頭の中で発音することに意識を向けるのではなく、文章が伝えている意味のまとまりを捉えるようにしてみましょう。
例えば、
「読書を|毎日|続ける|ことが|大切です」
と一語ずつ意識するよりも、
「読書を毎日続けることが大切です」
という一つの意味として捉えるイメージです。
ただし、
「必ず3語ずつ読む」
「一度に○文字見れば速くなる」
といった固定したルールを作る必要はありません。
文章によって意味の区切り方は違います。
頭の中でどう発音しているかより、何が書かれているかへ意識を向けることから始めてみてください。
簡単な部分だけ少しペースを上げる
すでに知っている内容や、簡単に理解できる部分では、普段より少しだけ読むペースを上げてみる方法もあります。
ポイントは、速く読むことより、読んだ内容を理解できているか確認することです。
少しペースを上げても、
「何について書かれていたのか」
を説明できるのであれば、その速度でも問題ないでしょう。
反対に、
「結局、何が書いてあったのか分からない」
となってしまうのであれば速すぎます。
無理に速度を維持せず、元のペースへ戻してください。
全部を同じ読み方にしない
一冊の本を、最初から最後まで同じ速度で読む必要はありません。
例えば、
- すでに知っている部分:少し速めに確認する
- 重要な部分:丁寧に読む
- 難しい部分:速度を落として理解する
- 概要だけ知りたい部分:見出しや重要語を中心に確認する
といった使い分けができます。
読書というと、「全部きちんと読まなければいけない」と思ってしまうことがあります。
ですが、読む目的によって必要な読み方は変わります。
脳内音読するか、まったく音声化しないかの二択で考えず、文章ごとに読む速度を変えてみましょう。
概要だけならスキミングする
文章の細かい部分まで理解する必要がなく、まず全体像をつかみたい場合には、スキミングを使う方法があります。
スキミングとは、文章をすべて同じように読むのではなく、
- 目次
- 見出し
- 太字
- キーワード
- 各章の要点
などを確認しながら、文章の概要をつかむ読み方です。
これは、脳内音読を完全になくして、全文を高速で理解する方法ではありません。
細かい情報を読む量を減らし、必要なところへ時間を使う方法です。
「この章に必要な情報がありそうだ」
と分かったら、その部分だけ速度を落として詳しく読むこともできます。
理解できなくなったら元の読み方へ戻す
脳内音読を減らそうとして、
「文字は読めているけれど、内容が頭に入ってこない」
と感じた場合は、無理に続ける必要はありません。
読む目的は、頭の中の声をなくすことではなく、必要な内容を理解することです。
特に、
- 初めて読む分野
- 知らない言葉が多い文章
- 複雑な説明
- 正確に理解したい部分
では、自然と読む速度が落ちることがあります。
その場合は、頭の中で文章を読み上げながらでも構いません。
速さを優先して内容が分からなくなってしまうより、必要なところでは丁寧に読む方がよいでしょう。
無理に脳内音読をやめない方がいい場面
脳内音読は、いつでも減らせばよいわけではありません。
文章によっては、頭の中で音を感じながら読んだ方が、内容を理解しやすいこともあります。
特に、次のような場面では、読む速度よりも理解を優先しましょう。
難しい文章を読むとき
文章の内容が難しいと、自然と読む速度は遅くなります。
これは必ずしも、脳内音読が原因ではありません。
難しい文章では、
- 前の文とのつながりを確認する
- 言葉の意味を考える
- 文章の構造を整理する
- 一度読んだ部分へ戻る
といった処理が必要になることがあります。
そのため、難しい文章まで無理に速く読もうとする必要はありません。
頭の中で文章を読み上げながらでも、内容をきちんと理解できる速度で読んでください。
知らない言葉・専門用語が多いとき
初めて見る言葉や専門用語が多い文章では、言葉の読み方や意味を確認しながら読むことがあります。
例えば、新しく学び始めた分野の本では、
「この言葉はどういう意味だろう?」
と考えながら進むため、普段より時間がかかることもあるでしょう。
このような場合に、「頭の中で音声化しているから遅い」と考えて無理に音を消そうとすると、かえって理解しにくくなる可能性があります。
知らない内容を読むときに速度が落ちること自体は、珍しいことではありません。
必要なら言葉の意味を確認しながら、ゆっくり読み進めましょう。
小説・詩など文章を味わいたいとき
小説やライトノベル、詩などは、情報だけを素早く取り出すために読むとは限りません。
登場人物の会話や文章のリズム、語り口などを楽しみながら読むこともあります。
そのような文章まで、「頭の中で声を出してはいけない」と考える必要はありません。
例えば、登場人物のセリフを頭の中で声として感じながら読んだ方が、その場面を楽しめる人もいるでしょう。
物語を楽しむことが目的なら、速さよりも自分が楽しめる読み方を優先して構いません。
しっかり内容を理解したいとき
勉強や仕事で使う本など、内容を正確に理解したい場合も、無理に脳内音読を減らす必要はありません。
例えば、
- 新しく学ぶ内容
- 重要な定義
- 複雑な説明
- 後から使う必要がある情報
などは、時間をかけて読んだ方がよい場合があります。
速くページを進めることができても、内容を理解できていなければ意味がありません。
読書の目的が、「何ページ読んだか」ではなく「内容を理解すること」であれば、必要なところでは速度を落として読みましょう。
脳内音読を減らすのは、あくまで読む速度に困っているときの一つの考え方です。
脳内音読をやめれば速読できる?
「頭の中で文章を読み上げるのをやめれば、もっと速く読めるのでは?」
と考える方もいると思います。
ですが、脳内音読だけをなくせば、理解度を保ったまま何倍も速く読めるとは言えません。
読書速度には、
- 文章の難しさ
- 語彙や前提知識
- どこまで詳しく理解する必要があるか
- 文章の構造
- 目で文字を追う動き
など、さまざまな要素が関係しています。
脳内音読だけが、読む速度を決めているわけではありません。
2024年に日本読書学会の『読書科学』へ掲載された「ウェブ調査による物語文章理解研究の困難さ(Ⅱ)」では、これまでの速読研究についても整理されています。
その中では、速く読むよう求められた場合に理解度テストの成績が低くなった研究や、速読に関するレビューで読む速さと正確さにはトレードオフがあると整理されていることが紹介されています。
つまり、「頭の中の声を消せば、文章を同じように理解したまま2倍・3倍で読める」と単純には考えない方がよいでしょう。
速く読める場面はある
一方で、通常より速く読むこと自体ができないわけではありません。
例えば、
- すでに知っている内容を確認するとき
- 文章の概要だけ知りたいとき
- 必要な情報だけ探すとき
- 細かい説明まで理解する必要がないとき
などは、読む量を絞ったり、スキミングを使ったりすることで速く進められます。
ただし、これは、すべての文章を通常と同じ理解度のまま高速で読むこととは違います。
詳しく読む必要のない部分を飛ばしたり、必要な情報だけを拾ったりするからこそ、短い時間で読み進められる場合があります。
速度より理解を優先する場面もある
反対に、
- 初めて学ぶ内容
- 専門用語が多い文章
- 複雑な説明
- 後から正確に使う必要がある情報
では、速く読むことよりも理解を優先した方がよいでしょう。
脳内音読を減らそうとして、
「ページは進んだけれど、何が書いてあったのか分からない」
となってしまえば、本来の目的から外れてしまいます。
「ここは速く確認する」
「ここはゆっくり理解する」
と、読む目的に合わせて使い分けてください。
読書速度そのものを上げたい場合
ここまで紹介したように、脳内音読だけで読書速度が決まるわけではありません。
それでも、
「本を読むのに時間がかかる」
「もう少し効率よく読みたい」
と感じているのであれば、読む目的や文章の難しさ、前提知識、精読する部分と概要だけ確認する部分の分け方まで含めて、読書速度全体を見直してみましょう。
脳内音読だけでなく、読書速度そのものを見直したい方は、理解とのバランスを保ちながら読む速度を上げる方法も確認してみてください。
すべての文章を同じように速く読むのではなく、速く確認する部分と、時間をかけて理解する部分を使い分けることが大切です。
脳内音読についてよくあるQ&Aまとめ
Q. 読書中に頭の中で声がするのは普通ですか?
A. 黙読していても、頭の中で文章を読み上げているように感じることはあります。
また、黙読中にも文字に対応する音の情報が利用されることは研究されています。
そのため、頭の中で声がすることだけを理由に「読み方がおかしい」と考える必要はありません。
Q. 脳内音読は悪い癖ですか?
A. 必ずしも悪い癖ではありません。
脳内音読や音韻的な処理は、短期的な情報保持や文章理解などとの関係が研究されています。
本を理解できていて、読む速度にも困っていないのであれば、無理にやめる必要はないでしょう。
Q. 脳内音読を完全になくせますか?
A. 完全になくすことを目標にする必要はありません。
簡単な文章では意味のまとまりへ意識を向け、難しい文章では必要に応じて丁寧に読むなど、文章に合わせて読み方を変えてみてください。
Q. 脳内音読をやめると速く読めますか?
A. 脳内音読だけをなくせば、理解度を保ったまま何倍も速く読めるとは言えません。
概要だけを知りたい場合などは速く進められることがありますが、詳しく理解したい文章では速度を落とすことも必要です。
Q. 頭の中で一文字ずつ読むのを減らすには?
A. 一文字・一単語ずつの発音ではなく、文章が伝えている意味のまとまりへ意識を向けてみてください。
簡単な部分だけ少しペースを上げる方法もありますが、内容が分からなくなった場合は元の読み方へ戻しましょう。
Q. 難しい文章でも音声化しない方がいいですか?
A. 無理に音声化を減らす必要はありません。
専門用語が多い文章や初めて学ぶ内容では、速さよりも内容を理解することを優先してください。
Q. 小説でも脳内音読をやめるべきですか?
A. やめる必要はありません。
小説やライトノベルでは、登場人物の会話や文章のリズム、語り口を楽しみながら読むこともあります。
物語を楽しむことが目的なら、頭の中で声を感じながら読むことも一つの読み方です。
Q. サブボーカリゼーションとは何ですか?
A. サブボーカリゼーションは、読書中に言葉を内的に発しているような現象を説明するときに使われる言葉です。
文献や使われる場面によって意味の幅があるため、脳内音読や音韻符号化と完全に同じ意味として扱わない方がよいでしょう。
Q. 数字を数えながら読むと脳内音読を消せますか?
A. 数字を数えたり、別の言葉を頭の中で繰り返したりする方法も紹介されていますが、今回の記事では基本的な方法としておすすめしません。
別のことをしながら読むことで、文章の理解まで邪魔してしまう可能性があるためです。
まずは、意味のまとまりへ意識を向けたり、簡単な部分だけ読むペースを調整したりする方法から試してみてください。
Q. 音声化しない方が記憶力や集中力は上がりますか?
A. 音声化をやめるだけで、記憶力や集中力が上がるとは言えません。
脳内音読をなくすことと、記憶力・集中力の向上を直接結びつけない方がよいでしょう。
まとめ:脳内音読は「消す」のではなく使い分ける
読書中に頭の中で文章を読み上げてしまっても、必ずしも悪い癖ではありません。
黙読でも音に関する情報が使われることは研究されており、脳内音読を完全になくすことを目標にする必要はありません。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 頭の中で声がすることを悪い癖と決めつけない
- 脳内音読の完全排除を目標にしない
- 読む速度に困っている場合だけ、読み方を調整する
- 簡単な文章では意味のまとまりへ意識を向ける
- 難しい文章や専門用語が多い文章では、ゆっくり読んでよい
- 小説やライトノベルでは、無理に頭の中の声を消さなくてよい
- 脳内音読をなくすだけで、理解度を保ったまま何倍も速く読めるとは言えない
「音声化しないようにしなければ」と考えすぎると、かえって文章の内容が頭に入らなくなることもあります。
大切なのは、脳内音読するか、しないかの二択にしないことです。
簡単な部分は少し速く読み、難しい部分はゆっくり読む。概要だけ知りたいときは必要な部分を中心に確認し、しっかり理解したいところでは丁寧に読む。
頭の中の声を消すことではなく、自分が内容を理解しながら読みやすい方法を見つけることが大切です。