漫画を読むことにも意味はあります。
ただし、「漫画を読めば、文章中心の本と同じ読書効果がすべて得られる」とまでは言えません。
漫画は、セリフや文章だけでなく、イラストや人物の表情、コマの流れなど、いくつもの情報を組み合わせながら内容を読み取る読み物です。
そのため、文章中心の本と共通する部分がある一方で、情報の受け取り方には違いもあります。
「漫画は読書に入るの?」
「漫画ばかり読んでいても大丈夫?」
「漫画でも語彙力や読解力は身につく?」
このように気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、漫画と文章中心の読書の共通点や違い、漫画から得られる可能性があるもの、漫画を読むだけでは一律に身につくとは言えないものを紹介します。
漫画だから意味がないと決めつける必要もありませんし、反対に「漫画なら普通の本と同じ効果が得られる」と考える必要もありません。
漫画を読むことにどんな意味があるのか、一緒に整理していきましょう。
この記事でわかること
- 漫画は読書に入るのか、漫画を読むことにはどんな意味があるのか
- 漫画と文章中心の本に共通するところ・違うところ
- 漫画から得られる可能性があるものと、読むだけでは一律に身につくとは言えないもの
- 漫画ばかり読んでいても大丈夫なのか、目的別の考え方
結論|漫画を読むことにも意味はあるが、文章の本と同じ効果とは限らない
漫画を読むことには、作品を楽しんだり、知らなかった言葉やテーマに触れたり、物語の流れを読み取ったりする意味があります。
そのため、「漫画だから読んでも意味がない」と考える必要はありません。
一方で、漫画を読めば、文章中心の本で期待される効果がすべて同じように得られるとも言い切れません。
漫画は、セリフや文章だけでなく、イラストや人物の表情、コマの順番、背景など、複数の情報を組み合わせながら内容を理解する読み物です。
文章中心の本とは情報の示し方が違うため、単純に「漫画は簡単な読書」と考えるのも適切ではありません。
漫画と文章には共通する「読み取る」部分がありますが、まったく同じものではありません。
また、漫画を読む目的によっても意味は変わります。
純粋に物語を楽しみたいのであれば、楽しめたこと自体に価値があります。
一方で、専門的な知識を身につけたい場合や、文章を読む力を鍛えたい場合には、漫画だけですべてを補えるとは限りません。
つまり、漫画だから意味がないわけでも、漫画なら文章中心の本とまったく同じ効果が得られるわけでもありません。
漫画と文章、それぞれの特徴を知ったうえで、自分の目的に合わせて楽しむのがよいでしょう。
漫画は読書に入る?
「漫画って読書に入るの?」
漫画をよく読む方なら、一度は気になったことがあるかもしれません。
「読書」という言葉をどこまで含めるかによって、答えは変わります。
ただ、漫画を読書と呼ぶかどうかだけで、漫画を読む意味まで決める必要はありません。
読書の定義によって答えは変わる
一般的に「読書」と聞くと、小説や実用書など、文章中心の本を読むことを思い浮かべる方も多いと思います。
そのため、「漫画は絵が多いから読書ではない」と考える人がいるのも不思議ではありません。
一方で、漫画にも文字やセリフがあり、絵やコマの流れと組み合わせながら内容を読み取ります。
国立教育政策研究所が公表しているPISA2018の結果資料でも、「読む本の種類・頻度」の一つとしてコミック(マンガ)が調査対象に含まれています。
ただし、これは「漫画は学術的に読書だと証明された」という意味ではありません。
あくまで、国際的な読解力調査でも漫画が読む媒体の一つとして扱われている例です。
「漫画は読書です」「漫画は読書ではありません」と定義だけで決めるより、漫画を読むときに何を読み取っているのかを見る方が大切です。
重要なのは「読書と呼ぶか」より何を読み取るか
漫画を読むときは、セリフだけを追っているわけではありません。
例えば、
- 登場人物がどのような表情をしているか
- 誰が誰に話しているのか
- 場面がどこへ移ったのか
- コマとコマの間で何が起きたのか
- 登場人物がなぜその行動を取ったのか
といった情報も読み取りながら、ストーリーを理解していきます。
文章としてすべて説明されていない部分を、前後のコマや絵から読み取る場面もあります。
そのため、漫画を「絵を見るだけの簡単な読書」と考えるのは少し違います。
文章中心の本とは方法が違いますが、漫画にも漫画なりの内容の読み取り方があります。
漫画も絵と文字を組み合わせて物語を理解する
文章中心の本では、登場人物の表情や場面の様子なども、多くの場合は文章から想像しながら読み進めます。
一方、漫画では、それらの一部が絵として表現されています。
だからといって、漫画なら何も考えずに内容を理解できるわけではありません。
コマの順番、人物の表情、セリフ、背景、擬音などを組み合わせながら、「今何が起きているのか」を理解していきます。
漫画と文章中心の本は、どちらも内容を読み取るという点では共通していますが、使う手掛かりはまったく同じではありません。
「漫画は読書に入るか」という疑問については、言葉の定義だけで答えを出すよりも、漫画も文章とは違った方法で内容を読み取る読み物と考えると分かりやすいでしょう。
漫画と文章中心の本に共通するところ
漫画と文章中心の本では、情報の見せ方は違います。
しかし、まったく別のことをしているわけではなく、内容を理解するために共通する読み取りもあります。
登場人物や出来事の流れを理解する
漫画でも小説でも、物語を理解するには、
- 誰が登場しているのか
- どのような出来事が起きたのか
- 出来事がどのようにつながっているのか
- 登場人物がなぜその行動を取ったのか
といったことを読み取る必要があります。
漫画の場合は、セリフだけでなく、イラストや人物の表情、コマの流れなども手掛かりになります。
文章中心の本では、それらの情報が文章で詳しく説明されることが多くなります。
方法は違いますが、前後の情報をつなげながら内容を理解するという部分には共通点があります。
小学6年生を対象に漫画と文章の理解を比較した日本教育メディア学会の研究でも、漫画と文章の理解には、共通して関わる認知的な要素があることが示唆されています。
ただし、この研究から「漫画を読めば文章読解力が上がる」とまでは言えません。
漫画と文章の理解には共通する部分もあると考えるための参考になります。
書かれていない情報を推測することがある
漫画では、すべての出来事がセリフや文章で説明されるわけではありません。
例えば、あるコマでは人物が部屋にいて、次のコマでは外にいる場合、その間の移動が細かく描かれていないことがあります。
人物の気持ちも、
「悲しい」
「怒っている」
と毎回文字で説明されるわけではなく、表情や行動、前後の流れから読み取ることがあります。
文章中心の本でも、登場人物の気持ちや出来事の意味がすべて直接書かれているとは限りません。
どちらも、書かれている情報だけでなく、前後の内容から推測しながら読む場面があります。
ただし、このような読み取りがあるからといって、「漫画を読めば想像力が必ず上がる」とまでは言えません。
新しい言葉や知識に触れることがある
漫画を読んでいると、それまで知らなかった言葉や専門用語、テーマに出会うことがあります。
歴史やスポーツ、料理、仕事、科学、経済などを題材にした漫画では、物語を楽しみながら、その分野の言葉や考え方に触れることもあります。
私自身も、読書を続けるなかで、知らなかった言葉やテーマに本をきっかけとして興味を持つことがありました。
漫画でも同じように、新しいことを知るきっかけになる場合があります。
ただし、漫画に出てきた内容が、必ず正確・最新・網羅的とは限りません。
専門的な知識として使いたい場合は、必要に応じて公式資料や専門書などでも確認することが大切です。
漫画と文章中心の本で違うところ
漫画と文章中心の本には、内容を読み取るという共通点があります。
一方で、情報がどのように伝えられるかには違いがあります。
どちらが優れているという話ではなく、それぞれ違った特徴を持つ読み物として考えると分かりやすいでしょう。
漫画は絵・コマ・文字を組み合わせて読む
漫画では、セリフや説明文だけではなく、
- 人物の表情や動き
- 背景
- コマの大きさや順番
- 擬音
- 場面転換
なども、内容を理解するための手掛かりになります。
例えば、登場人物が何も話していなくても、表情やしぐさを見ることで気持ちを読み取れる場合があります。
また、コマとコマの間で時間が経過したり、場所が変わったりすることもあります。
そのため漫画は、文字だけを追うのではなく、絵やコマを含めた複数の情報を組み合わせながら読むという特徴があります。
「絵があるから文章より簡単」と一律に考えることはできません。
作品によっては人物関係や時間軸が複雑だったり、細かな背景や伏線まで読み取る必要があったりするため、漫画なら誰でも簡単に理解できるとも限りません。
文章中心の本は文章から情報を組み立てる割合が大きい
小説など文章中心の本では、登場人物の表情や場所の様子、動作なども文章で表現されます。
読者は、その文章を読みながら、
「どのような場所なのか」
「登場人物はどんな表情をしているのか」
「今どのような状況なのか」
といった情報を頭の中で組み立てていきます。
漫画では絵として示されている情報が、文章中心の本では文字で説明されることも多くあります。
そのため、漫画と文章中心の本では、同じ物語を扱っていても受け取る情報や楽しみ方が変わることがあります。
私自身、『狼と香辛料』は漫画やアニメでも物語を知っていましたが、その後、Kindle版のライトノベル1〜17巻を読みました。
すでにストーリーを知っている作品でも、文章で読むと、漫画やアニメとは違った描写や楽しみ方があると感じました。
私の場合は、どちらかが上というより、同じ作品でも媒体が変わると、受け取る情報や楽しみ方も変わるという感覚です。
同じ「読む」でも必要な手掛かりは完全には同じではない
漫画も文章中心の本も、登場人物や出来事のつながりを理解しながら読み進める点では共通しています。
しかし、漫画では絵やコマも大きな手掛かりになり、文章中心の本では文章から状況を組み立てる割合が大きくなります。
そのため、
漫画を読めるから文章中心の本も同じように読める
とも、
文章中心の本を読めるから漫画も簡単に理解できる
とも一律には言えません。
漫画を文章読書の下位版として考えるのではなく、共通する部分はありながらも、情報の伝え方が異なる読み物として考えるのがよいでしょう。
漫画を読むことで得られる可能性があるもの
漫画を読むことで何が得られるかは、作品や読む目的によって変わります。
ここでは、「漫画を読めば必ず○○力が上がる」という話ではなく、漫画を読む中で得られる可能性があるものを整理します。
物語や作品を楽しむ
まず大きいのは、純粋に作品を楽しめることです。
漫画は、
- ストーリー
- キャラクター
- イラスト
- 演出
- セリフ
などが組み合わさって作られています。
読書というと、つい、
- 「何か知識を得ないと意味がない」
- 「能力が上がらないと意味がない」
と考えてしまうこともあります。
しかし、娯楽として漫画を読んでいるのであれば、その作品を楽しめたこと自体にも意味があります。
すべての漫画を、勉強や能力向上のために読む必要はありません。
知らなかったテーマに興味を持つ
漫画をきっかけに、それまで知らなかったテーマへ興味を持つこともあります。
例えば、歴史やスポーツ、料理、仕事、科学、経済など、さまざまな分野を題材にした漫画があります。
最初は物語を楽しむために読んでいても、
- 「この時代についてもう少し知りたい」
- 「この仕事って実際はどんな仕事なんだろう」
と興味が広がることもあります。
ただし、漫画を読めば必ずその分野の知識が身につくわけではありません。
専門的な内容を知りたい場合は、必要に応じて専門書や公式資料などでも確認してください。
新しい言葉や表現に触れる
漫画を読んでいると、普段は使わない言葉や専門用語に出会うことがあります。
例えば、歴史やスポーツ、仕事などを題材にした漫画では、その分野ならではの言葉が登場することもあります。
読んでいる途中で、
「この言葉はどういう意味だろう?」
と気になり、意味を調べた経験がある方もいるのではないでしょうか。
私も本を読んでいて知らない言葉が出てきたときは、気になれば調べることがあります。
漫画でも、知らなかった言葉や表現に触れるきっかけになることはあります。
ただし、漫画によって文章量や使われる言葉は大きく異なるため、漫画を読んでいるだけで語彙力が必ず上がるとは言えません。
知らない言葉に出会ったときは、自分の興味に合わせて意味を調べてみるとよいでしょう。
複数の情報から内容を読み取る
漫画では、文字だけを読んでいるわけではありません。
人物の表情や背景、コマの順番、セリフなどを組み合わせながら、
「何が起きているのか」
「なぜこの人物はこうしたのか」
と内容を理解していきます。
複数の情報を組み合わせて物語を読み取ることも、漫画の特徴の一つです。
ただし、そこから、
「漫画を読めば読解力が必ず上がる」
「漫画を読めば思考力が上がる」
とまで広げることはできません。
漫画を読むだけでは必ず身につくとは言えないもの
漫画には、物語を読み取ったり、新しい言葉やテーマに触れたりする面があります。
しかし、そこから「漫画を読めば○○力が必ず上がる」と能力の向上まで一律に結びつけることはできません。
語彙力・文章力
漫画を読んでいると、知らなかった言葉や専門用語に出会うことがあります。
ただし、漫画によって文章量や使われる語彙は大きく異なります。
新しい言葉に触れることと、語彙力そのものが向上することは同じではありません。
また、文章を書く機会が増えるわけでもないため、「漫画を読むだけで読み書き能力や文章力が高まる」とも言い切れません。
語彙や文章表現を学びたい場合は、目的に合った文章や資料にも触れる方がよいでしょう。
文章読解力
漫画にも、登場人物や出来事のつながりを理解したり、前後の情報から状況を読み取ったりする場面があります。
先ほど紹介した小学6年生を対象とした漫画と文章の理解に関する研究でも、両者の理解には共通する認知的な要素があることが示唆されています。
一方で、これは、漫画を自由に読んでいれば、文章読解力が必ず上がるという研究ではありません。
また、小学生を対象とした漫画を使った読解指導の研究では、指導後に混成型テキストの読解得点が改善した例があります。
ただし、こちらも漫画を教材として使い、読解の指導を行った研究です。
普段から漫画を読むだけで、あらゆる文章を読む力が高まると一般化することはできません。
想像力・共感力・思考力
漫画では、
- コマとコマの間で何が起きたのか考える
- 人物の表情から気持ちを読み取る
- 伏線や出来事の意味を考える
といった場面があります。
そのため、漫画を読むときにも、書かれていないことを考えたり、登場人物に感情移入したりすることはあります。
しかし、
「漫画を読めば想像力が上がる」
「漫画を読めば共感力が高まる」
「漫画を読めば思考力が身につく」
といった能力向上まで、そのまま断定することはできません。
そのような読み取りをすることと、能力そのものが向上することは分けて考える必要があります。
学力・勉強の成果
学習内容を漫画で説明する教材や、歴史・科学などを扱った学習漫画もあります。
漫画を教材として利用した研究では、条件によって理解や記憶を助ける結果が報告された例もあります。
ただし、これは学習目的で内容を設計した漫画や、特定の教材・指導条件で調べた結果です。
一般的な娯楽漫画を読むだけで、
「成績が上がる」
「学力が高くなる」
とは言えません。
また、漫画で得た知識が間違っているという意味ではありませんが、作品の都合で内容が省略されていたり、表現が脚色されていたりする場合もあります。
学校の勉強や専門的な知識として利用する場合は、教科書や専門書、公式資料などと組み合わせることが大切です。
漫画ばかり読んでいても大丈夫?
「漫画ばかり読んでいて大丈夫なのかな?」
このように気になる方もいると思います。
漫画を読む目的によって考え方は変わります。
漫画を楽しむことが目的なのか、勉強したいのか、文章を読む力を身につけたいのかで、必要な読み物も変わってきます。
楽しむことが目的なら無理に小説へ変える必要はない
漫画を読む目的が、「好きな作品を楽しみたい」ということであれば、無理に小説や難しい本へ変える必要はありません。
漫画には、ストーリーやキャラクターだけでなく、絵やコマ割り、演出など、漫画だからこそ楽しめる部分があります。
「漫画ばかり読んでいるからダメ」
「小説を読めるようにならないといけない」
と考える必要はありません。
私自身、読書を10年以上続けていますが、すべての本を勉強のために読んでいるわけではありません。
小説やライトノベルなど、純粋に物語を楽しむために読むこともあります。
漫画についても同じように、楽しむことを目的として読むのであれば、それだけでも読む理由になります。
勉強や知識を得たいなら目的に合った資料も使う
一方で、
「歴史を詳しく知りたい」
「仕事に必要な知識を身につけたい」
「学校の勉強に活かしたい」
という目的で漫画を読む場合は、漫画だけですべてを補おうとしない方がよいでしょう。
漫画は、あるテーマに興味を持つきっかけとして利用できます。
しかし、物語として読みやすくするために内容が省略されていたり、作品としての演出が加えられていたりすることもあります。
そのため、漫画をきっかけに興味を持ったあと、
- 教科書
- 専門書
- 公的機関や公式サイト
- 一次資料
などを確認すると、より詳しく知ることができます。
漫画を入口として使い、必要に応じて別の資料へ広げるという使い方でも構いません。
文章を読む力を鍛えたいなら文章中心の本にも触れる
漫画と文章中心の本には、内容を読み取るという共通点があります。
ただし、これまで紹介してきたように、情報の示し方は同じではありません。
文章を読む力そのものを鍛えたいのであれば、漫画だけで完全に代替できるとは言えません。
文章から情報を読み取りたいという目的があるなら、漫画をやめるのではなく、漫画を楽しみながら文章中心の本にも触れてみるという方法もあります。
漫画から小説へ「ステップアップ」しなければならないわけではありません。
どちらが上ということでもありません。
漫画を読みたいときは漫画を読み、文章中心の本から知りたいことがあるときは文章を読む。
自分が何のために読むのかによって使い分ければよいと考えています。
漫画が別の本やテーマへの入口になることもある
漫画を読んだからといって、必ず小説や専門書を読むようになるわけではありません。
ただ、漫画をきっかけに、それまで知らなかったテーマへ興味が広がることはあります。
例えば、歴史を題材にした漫画を読んで、「この時代について、もう少し詳しく知りたい」と思うこともあるでしょう。
スポーツ漫画を読んで競技に興味を持ったり、仕事を題材にした漫画から、その職業について調べてみたくなったりすることもあります。
これは、漫画を「普通の本を読むための練習」にするという意味ではありません。
漫画は漫画として楽しみながら、もっと知りたくなったことがあれば、そのときに別の本や資料へ広げれば十分です。
私自身、『狼と香辛料』は漫画やアニメで物語を知ったあと、Kindle版のライトノベル1〜17巻も読みました。
同じ物語でも、文章で読むと漫画やアニメとは違った描写や楽しみ方があり、約4年半かけて最後まで読むことができました。
私の場合は、漫画やアニメを知っていたから文章版に意味がなくなったわけではなく、媒体が変わることで、同じ作品でも別の楽しみ方ができました。
漫画を読んだ人が必ず文章中心の本へ進む必要はありません。
しかし、
「もっと詳しく知りたい」
「同じ作品を別の形でも楽しみたい」
と思ったときには、漫画が次の本やテーマへ興味を広げる入口になることもあります。
ストレス解消目的で漫画を読むなら
ここまで、漫画を読むことの意味や、文章中心の本との共通点・違いについて紹介してきました。
漫画は、物語を楽しむために読むこともあれば、疲れたときの気分転換として読むこともあります。
「漫画を読むと気分転換になる?」
「ストレス解消目的で漫画を読んでもいい?」
と気になっている方もいるのではないでしょうか。
ストレスとの関係については、今回の記事で扱ってきた「漫画を読む意味や読書との違い」とは分けて考えると分かりやすいです。
ストレス解消や気分転換を目的に漫画を読みたい方は、漫画でストレス解消を考える場合のポイントや注意点もあわせて確認してみてください。
漫画と読書の効果Q&Aまとめ
Q. 漫画は読書に入りますか?
A. 「読書」という言葉をどこまで含めるかによって考え方は変わります。
漫画も、絵・文字・コマの流れなど複数の情報を読み取りながら内容を理解する読み物です。
文章中心の本とまったく同じではありませんが、定義だけで「読書かどうか」を決めるより、何を読み取っているのかを見る方が大切です。
Q. 漫画を読むことに意味はありますか?
A. あります。
作品を楽しんだり、知らなかったテーマや言葉に触れたり、登場人物や出来事の流れを読み取ったりすることには意味があります。
ただし、「漫画を読めば語彙力や読解力などが必ず上がる」とまでは言えません。
Q. 漫画を読むと語彙力は上がりますか?
A. 新しい言葉や専門用語に出会うことはあります。
ただし、文章量や使われる言葉は作品によって違うため、読むだけで語彙力が必ず上がるとは言えません。
Q. 漫画でも読解力は身につきますか?
A. 漫画と文章の理解には、共通して関わる要素があることを示唆した研究があります。
ただし、漫画を自由に読んでいれば文章読解力が必ず高まる、という意味ではありません。
Q. 漫画を読むと想像力が上がりますか?
A. 漫画では、コマとコマの間で起きたことや、人物の感情、描かれていない情報を考えながら読むことがあります。
ただし、そのことだけを根拠に「漫画を読めば想像力が向上する」とは断定できません。
Q. 漫画ばかり読んでいても大丈夫ですか?
A. 何を目的に読んでいるかによります。
楽しむことが目的なら無理に小説へ変える必要はありませんが、専門的な知識や文章を読む力など別の目的がある場合は、目的に合った本や資料も組み合わせるとよいでしょう。
Q. 読書が苦手なら漫画から始めてもいいですか?
A. 漫画が好きなのであれば、読むことを楽しむ入口になる場合があります。
ただし、すべての人が漫画から始める必要はありません。自分が興味を持てる読み物から始めればよいでしょう。
Q. 学習漫画は勉強になりますか?
A. 学習内容を漫画で提示した教材について、理解や記憶などを調べた研究はあります。
ただし、学習目的で作られた教材や特定の条件での結果であり、一般的な娯楽漫画にそのまま当てはめることはできません。
Q. 漫画と小説はどちらが読書効果がありますか?
A. 何を「効果」とするかによって変わるため、単純にどちらが上とは言えません。
それぞれ情報の伝え方が違うため、自分の目的や楽しみ方に合わせて選べばよいでしょう。
Q. 漫画でもストレス解消になりますか?
A. 漫画を気分転換として読む場合の考え方については、別記事で詳しく整理しています。
ストレス解消を目的に漫画を読みたい方は、漫画でストレス解消を考える場合のポイントや注意点も確認してみてください。
まとめ:漫画だから意味がないとも、同じ効果があるとも決めつけない
漫画を読むことにも意味はあります。
漫画は、セリフや文章だけでなく、イラストや人物の表情、コマの流れなど、複数の情報を組み合わせながら内容を読み取る読み物です。
そのため、「漫画だから読書として意味がない」と決めつける必要はありません。
一方で、漫画を読めば、
- 語彙力
- 文章読解力
- 文章力
- 想像力
- 共感力
- 学力
などが必ず向上する、とも言い切れません。
漫画と文章中心の本には、内容を読み取るという共通点がある一方で、情報の伝え方には違いがあります。
どちらが上ということではありません。
漫画を楽しみたいのであれば、そのまま漫画を楽しめばよいと思います。
知識を詳しく学びたい場合は専門書や公式資料も確認し、文章を読む力を鍛えたい場合は文章中心の本にも触れるなど、自分の目的に合わせて読み物を選ぶことが大切です。
漫画をきっかけに知らなかったテーマへ興味を持ったり、別の本を読んでみたくなったりすることもあります。
漫画だから意味がないとも、文章中心の本とまったく同じ効果が得られるとも決めつけず、それぞれの特徴を知ったうえで読書を楽しんでみてください。